茶三楽の茶道体験を担当しています

記事をご覧いただき、ありがとうございます。茶三楽の鈴木と申します。
私は、普段は茶道体験を担当しており、主に海外からいらっしゃるお客様に茶道や日本の文化を紹介しています。
茶三楽には、店舗奥に小さなお茶室があります。
お客さまが5名様ほど入るといっぱいになってしまいますが、茶道体験に参加されるお客様には、プライベートな空間で体験を楽しんでいただいています。一組一組のお客様と丁寧にお話できることは、私にとっても有意義な時間です。
今日のブログは、私が旅人だった頃の思い出と、今の茶道体験のお仕事が少し繋がるお話。良ければ、ゆるりと読んでいってくださいね。
15年前のネパール旅行

15年ほど前、私は一人でネパールへ行きました。
たしか10日ほどの短い日程でしたが、今でも色々と語れるくらい、とても印象深い旅でした。中でも一番思い出に残っているのは、ネパールの方の家に招いていただいたこと。

場所はネパール第二の都市、ポカラ。湖の景色が美しく、ゆったりとした街でした。現地で見つけた小さな旅行会社でプライベートのハイキングツアーをお願いしたのですが、その時担当してくれたガイドさん(学生さんでした)が、「よかったら家に来ない?」と誘ってくれたのです。
正直なところ、最初は少し迷いました。異国の地で、女性一人旅。それでも、旅人の好奇心、そして何より彼女の温かく明るい人柄に惹かれて、思い切ってお邪魔することにしました。
彼女と家族が住む家に招いていただいて、カレーをご馳走になったり、お話をしたり、赤ちゃんと遊んだり……。文化の違いを感じつつも(この時に生まれて初めて、手でカレーを食べました!) 彼女たちの温かいおもてなしを受けて、忘れられないひとときになりました。
Facebookのメッセージと再会

その後は、Facebookでお友達になり、時々コメントなどで交流していたと思います。この出会いの後すぐに彼女はオーストラリアに引っ越して、家庭を持ち、とても幸せそうに暮らしている様子を、Facebookで時折見ていました。
そして、久しぶりに連絡があったのが去年の12月頃。日本旅行を計画していると、メッセージで相談がありました。そして9月の来日が決まった時に、久しぶりに再会しよう!という話になったのです。
(15年前は家に招待していただいた。今度は私が、お茶でおもてなしできたら喜んでもらえるかな……。) そう思い、もし興味があれば茶道体験に招待したい、と話をして、参加してもらうことになりました。
当日は、家族全員でお店に来てくれました。
15年という年月が経ち、彼女の環境や境遇も大きく変わりましたが、明るく温かい雰囲気は当時のままでした。再会のハグ☺の後、お茶室にご案内します。
茶道体験

まずは私が抹茶を点てて全員にお出しして、そして子供たちにお茶を点てる体験をしていただきました。子供たちが点てたお茶は、ご両親に召し上がっていただきました。もちろん普段の茶道体験同様、抹茶の紹介や、お茶の飲み方などの作法、茶の湯の精神性など基本的なご紹介もさせていただきました。
茶道には「一座建立(いちざこんりゅう)」という言葉があります。
亭主と客人が互いに心を通わせ一体となって、心地良い茶席・空間を作り出すことを意味します。
茶道体験に来るお客様は、初めてお茶に触れる方が多く、お点前や作法についてご存じではありませんが、亭主からお客様への一方的なサービスという訳でもなく、ほとんどの方が積極的に体験に参加してくださいます。
彼女たちも、私が話すことに丁寧に耳を傾けてくれました。また、お互いを思いやる温かさが溢れており、15年前にお家を訪れた時の雰囲気を思い出しました。今回の茶道体験は、私にとっても忘れられない、旅の続きの1ページになっています。
お茶の玄人たちの一座建立とは少し違うのかもしれませんが、とても心地良く、やさしいひとときでした。
旅の思い出はいつも「人」

Instagram @chasanraku_tea_ceremony より
ネパールに限らず、旅で印象に残ることは、いつも「人」だった気がします。綺麗な景色も、世界遺産も、美味しいごはんも、どれも楽しい旅の要素だけれど、「この国で何が一番よかった?」と聞かれた時に、「人」が思い浮かぶこと多い。
現地の友人やホストファミリーと話をしたこと、見知らぬ人に優しくしてもらったこと、ゲストハウスでの旅人達との出会い etc… たくさんの思い出があります。
今は旅人だった時とは逆の立場で働いています。
もしかしたら、参加してくれた旅行者さんにとって、茶道体験で私と話したことが、思い出深いひとときになるかもしれない、15年経った後も生き生きと話せるような、そんな経験になるかもしれない。そう思うと、小さな民間アンバサダーとして、背筋が伸びる想いです。
私の仕事が、誰かの思い出の一部になれたら嬉しい。そんな気持ちを忘れないように、これからもお客様をお迎えしたいと思います。

